植物ヘアケアオイルは髪を熱から守ってくれるのか?


ヘアドライヤー、ヘアアイロン、巻きゴテ、更には熱いシャワー。
今や髪に「熱」を当てない人は、かなり少ないのではないでしょうか。髪を熱から守る、所謂ヒートプロテクト効果のあるヘアケア剤はたくさんありますが、ノンケミカルのものは、ちょっとお目にかかったことがありません。


椿油やアボカドオイル、アルガンオイルにグレープシードオイルなど各種の植物オイルには、髪を熱から守る効果があると言われ、多くのケミカルフリー派が代用しています。
でも、どの成分が、どのように働いて髪を熱から守るのか。
そして本当に、ケミカル原料のものと変わらない防御力があるのか、ご存知ですか?

実は似たような働きはできるけれども、防御率は低いのです。


今回はその理由を説明しますね。


なぜ熱で髪が傷むのか?


どのような形でも髪に「熱」をあてることは、髪のダメージに直結します。髪の熱によるダメージは大きく3つに分けることができます。


熱によるタンパク変性 

 髪の毛はタンパク質できています。タンパク質は熱を与えると変化が起こり、違う物質に変化するのです。

 わかりやすい例は「たまご」。生卵に熱を加えると、だんだんと固まっていき、最後にはコゲて灰になってしまいますよね?髪の毛もこれと同じで、熱を加え過ぎるとタンパク質が変化し(ダメージ)最終的には毛髪の炭化と言われ、髪の毛が灰になってしまいます。


 ヘアアイロンで起きる、水蒸気爆発

髪が濡れた状態でヘアアイロンを使用すると「ジュジュッ」と熱いフライパンに水をかけたときのような音がします。これが髪の「水蒸気爆発」です。水が水蒸気になると体積が1700倍になり、髪の毛の中に収まりきらずに爆発を起こすのです。すると髪は風船のように膨らみ、破裂してしまいます。内部から破裂した髪は穴ぼこだらけになり傷んでしまうのです。

これを防ぐにはアイロンを使うときは完全に髪を乾かすこと、もしくは水分が蒸発しない100℃以下でヘアアイロンを使う必要があります。


ヘアアイロンのプレス

ヘアアイロンに髪をぎゅっと挟んで、ぐい~~~~っと引っぱりすぎること。これは簡単に言うと,髪の毛がつぶれてしまうことで起こるダメージです。ちなみに温度によってこんなダメージが与えられていきます。

120℃ 髪の水分を奪う
150℃ 髪の変性を起こす
250℃ キューティクルが溶ける

余談ですが私が長年愛用しているヘアアイロンは185℃……とっくに変性始まってますね(汗)


ヒートプロテクション剤とは

ヒートプロテクション剤とは熱から髪を守る」ヘアケアアイテムでスタイリング剤とは(基本的に)目的が異なります。

髪の毛の内部は、3つの層が重なった構造になっています。コルテックスとはその中のひとつ、髪の毛の中にある繊維状のタンパク質でできている層のこと。髪の大部分を占めています。

主成分であるタンパク質の他、脂質、水分、メラニン色素が含まれており、コルテックスの量が髪の毛の太さ、脂質や水分が髪の毛の硬さに影響を与えます。髪の大部分を占めるコルテックスに、全部の熱量を届かないようにしてタンパク質の変質を抑えるのがヒートプロテクト剤の役目と言えます。

多くの場合、この役目を果たしているのはシリコンです。シクロメチコン、ジメチコンの2種がブレンドして使われています。ですから、シリコン配合のアイテムを使用していれば「ヒートプロテクション」用のアイテムを使わなくてもある程度のヒートプロテクション効果は得られるのです。


植物オイルにヒートプロテクト効果はあるのか?


"Hair Heat protectant Vegetable oil"と検索すると「植物性オイルはケミカルヒートプロテクト剤の代わりになりますよ!」という多くのサイトがヒットします。

曰く。

グレープシードオイルはスモークポイントが高く、ヘアアイロンを使うと髪にツヤを与えてくれる。
アルガンオイルは髪を熱から守ってくれる。
ココナツオイルは髪のダメージを修復し、ヒートプロテクト効果がある。
シアバターはシリコン並みの熱伝導率で、とても優れたヒートプロテクト力を持つ。

これらのサイトでは各植物オイルのスモークポイント(発煙点)をあげています。発煙点とは、油脂を加熱したときに煙が発生する温度のこと。発煙点を超えると油脂は酸化し、劣化していきます。

この「発煙点」までの温度であれば、オイルのシールドが髪を守ってくれる……という理論です。

ヒートプロテクタントとして人気のあるオイルのスモークポイントは:
  • グレープシードオイル 216℃
  • バージンオリーブオイル 216℃
  • アボカドオイル 271℃

……本当にそんなに単純なことなのでしょうか?



ヒートプロテクト剤に必要な働き


残念ながら、熱耐性(スモークポイント)は「髪を熱から守る」という目的の中の、たったひとつのファクターでしかありません。どのように髪を滑らかに保つかということも、ヒートプロテクト剤に必要な働きなのです。

オイルだけを使用した場合、ヘアアイロンの滑りが悪くなって何度も何度もアイロンをあてることになります……そう、髪にもっとダメージを与えてしまうのです。

また、髪内部の水分の、熱による蒸発をいかにして防ぐかも重要です。植物オイルはシリコンととてもよく似た働きをするのでケミカルヒートプロテクタント剤の代わりとして使用することも、もちろん可能です。でもその効果に優れたオイルは重いテクスチャのものが多いので、使用後の髪がベッタリと重くなってしまいます。

そのため市販のナチュラル系ヒートプロテクションアイテムはシリコンと植物オイルをブレンドすることで、植物オイルの足りない点を補っているのです。


※シリコンは安全性の高い、とても優れたヘアケア原料です。怖がらせ商法の被害者、シリコンについてはこちらをどうぞ。

 冤罪、シリコン!ヘアケアアイテム、一番気にするべき成分とは?



【おすすめアイテム】ナチュラルと科学の融合したヘアケアアイテム


私が今「絶対に避けたい!」と思う原料は人工香料だけです。
シャンプーやコンディショナーは洗い流す時、顔や体にかかるので石油系界面活性剤も避けたいところですがヘアスタイリング系のアイテムの場合、人工香料以外は基本的に何でもOKです。

人工香料はヘアケアアイテムでは避けるのがなかなか難しいのですがジョヴァンニ(Giovanni) のものはOK。ジョヴァンニは「自然と科学の融合」を目指したヘアケアブランド。シャンプー類はSLS、SLES不配合の所謂「アミノ酸系シャンプー」です。

ハードコアなケミカルフリー派は原料見てスルーかもしれません……私も以前はそうでしたから(^^;でも一回りした今(笑)一般的なシャンプーの使い心、洗い上がりを得られるナチュラル系シャンプーの中ではなかなか秀逸だな、と思うのです。

ただ、アイテムによって人工香料配合のものもあるので、注意が必要です。

※2017年9月追記:昨年冬、ジョヴァンニシャンプー&コンディショナーを1本使ったところ、生え際がカサカサ&カイカイになりました😓 とりあえずかゆみを抑えないことには始まらないので、久々にステロイド使用。そしてシャンプーをクリームクレンザーにスイッチし、フィッシュオイルを日に1600mg摂取して、どうにかこうにかおさまりました。肌が強くなった気でいたけど、やっぱりまだまだみたいです😅



★ ジョヴァンニ ヒートプロテクト剤2種 ★



http://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=2HOAV0+6YNJ8A+1QO4+HUD03&a8ejpredirect=http%3A%2F%2Fwww.cosmetic-times.com%2Fitem%2Fdetail%3Fitemcd%3D31110039%26basecd%3DB311100392chic スリーク フラットアイロン スタイリングミスト

【配合成分】水/グリセリン/SDアルコール40B/アルガンオイル/水溶化ブラジリアンココア/フィトケラチン/ルイボスティ抽出液/ココナツオイル/マカダミアシード抽出液/シアバター抽出液/ソルビトール/アモジメチコン/パンテノール/ベンジルアルコール/ポリソルベート20/フェノキシエタノール/自然由来フレグランス








http://www.cosmetic-times.com/item/detail?itemcd=31110064
2chic スリーク フラットアイロン スタイリングミスト

【配合成分】水/グリセリン/SDアルコール40B/VP/VAコポリマー/アルガンオイル/水溶化ブラジリアンココア/フィトケラチン/ルイボスティ抽出液/ココナツオイル/マカダミアシード抽出液/シアバター抽出液/ソルビトール/アモジメチコン/パンテノール/ベンジルアルコール/ポリソルベート20/フェノキシエタノール/自然由来フレグランス








ボトムライン


ドライヤーやヘアアイロンを日常的に使用するのであればヒートプロテクション剤は必須と言えます。ただやはり、この手の「原始時代にはない行為」「してもしなくても、命の関わることのない防御」(笑)はナチュラル原料の苦手とする分野と言えます。

髪を熱から完璧に守るのは100%ナチュラル(植物原料)では不可能。ケミカル原料(でも毒性/刺激性はなし)が配合されているものはしっかりと髪を熱から守ってくれる。

使うことのメリット、デメリット。使わないことのメリット、デメリット。

両方を秤にかけて、自分にとってどちらが大切かを見極めるといいでしょう。




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