ケミカルフリースキンケア道場5「日焼け止め PART 2」



さて、本日のケミカルフリーコスメシンプルスキンケア道場は日焼け止め後半戦です。




日焼け止めのナノ粒子問題  - 取りあえずの決着


いくつかの研究は「ナノ粒子は皮膚を浸透して体内へ入り、細胞や臓器に悪影響を与える」と示唆していますが、大半の研究結果は「ナノ酸化亜鉛は肌を通り抜けない」との結論を出しています(SCCS 2012)

19、110ナノミリメートルの酸化亜鉛を1日2回、5日間人体に塗布した結果、血管内で見つかったナノ酸化亜鉛粒子はたった0.01%以下だった。
また後日フォローアップ研究として、同サイズのナノ酸化亜鉛入りローションをヒトよりも薄い皮膚を持つ無毛のマウスに塗布すると、亜鉛原子はマウスから検出されたものの、血管や臓器の亜鉛量に変化は見られなかった。

FDA、そしてヨーロピアンユニオンは独自の研究の結果、「ナノ粒子は肌を通過しない」と結論しました。 (NanoDerm 2007, Sadrieh 2010).

ただ、これは皮膚からの浸透の話。
ミネラルパウダーファンデなどパウダー状のもの、そして最近増えているスプレータイプのものなど直接の吸引の可能性があるものは、引き続き危険性が指摘されています。

でも、万が一浸透したとしても、酸化亜鉛は亜鉛と酸素に分解されるだけ。このふたつの物質であれば、体が処理できるのです。

注:酸化チタンを分解することはできません。体内に入ってどこへ行くのか、どんな影響があるのかまだわからないのです。


粒子のサイズと紫外線カット力の関係


近年の研究で、酸化亜鉛等粒子の形やサイズによって、紫外線カット効果に違いがあることがわかりました。

粒子が小さければ小さい程、UVBカット力は高まりますが(SPF値が高くなる)、反対にUVAカット力は弱くなります(PA値が低くなる)。

酸化亜鉛等ミネラル原料は、マイクロサイズやナノサイズなど粒子が小さくなればなるほど透明になり、白浮きはしなくなりますがその分UVAカット力が弱くなるということです。


高SPF/PA値の日焼け止め


高SPF/PA値の日焼け止めが年々増えていて、SPF50は普通になりました。
SPF30よりもSPF50の方が 防御率があがるように思いますが、実は大差ないのです。

適切な量を使用した場合の各SPFのUVB防御力は:
SPF15 93%
SPF30 97%
SPF50 98%
SPF100  99%

Time Health 


SPF15とSPF100でも、たった6%の違いしかありません。でもSPF100の日焼け止めはSPF50の2倍のプロテクションがあり、2倍焼けない……と考えがちですよね。

実際にヨーロッパでバカンスを過ごす人達を対象に調べた研究では、SPF30の日焼け止めを使用した人の方が、 SPF10を使用した人よりも太陽に当たる時間が長いという結果が出ています(Autier 1999, 2000)

更に消費者が実際に使用している日焼け止めの量は、メーカーが推奨する量の1/5~1/2量という多くの研究結果があります。SPF30の日焼け止めをメーカー推奨量の1/4しか使用していない場合、SPF値はたったの2.3、SPF100の日焼け止めでは3.2。TシャツのSPF値は5程度ありますので、それより低いということになるのです。

そしてよく考えてみれば当然のことなのですが、日焼け止め効果を強めるためには、有効成分を多く配合しなくてはなりません。その分肌への負担が高くなり、アレルギー反応を起こす可能性も高くなります。

日焼け止め効果はSPF値の高さよりも、一度の使用量、どれだけ頻繁に塗り直すか、使う人がどれほど汗をかくのか、水に触れるのか......などで変わってくるからです。それゆえSPF15でも正しく使えば、充分な日焼け止め効果があると言えます。



もちろん最終的には個人の好みと考え方ということになりますが「塗って快適な低SPFクリームを、こまめに塗り直す」方が肌にも負担がかからず、最終的に焼けてしまうことも少ないのではないでしょうか。


ケミカルフリー日焼け止めのウォータープルーフ力


日焼け止めのウォータープルーフ力というのは水分によってクリームが落ちるかどうかではなく、水に濡れても日焼け止め効果が持続するかどうか、ということです。どんな日焼け止めでも、余程粘度の強いオイルかケミカルを使っていない限り、水につければある程度はクリームは浮いてくるものです。

「ウォータープルーフ力」はケミカルフリー日焼け止めのジレンマと言えるでしょう。
ケミカル原料を加えれば、簡単にウォータープルーフ力は強くなる、けれどもこのケミカルを使わないようにしようとしている。ケミカルフリーでウォータープルーフ力を強くしようと思うと、オイルの含量を増やさなくてはいけない。でもそれでは今度は使い心地が良くない……

ケミカルを使うことなく、どれほどバランスよくオイルを配合できるかどうかが、各メーカーの腕の見せ所と言えます。


日焼け止めの選び方・お勧めの日焼け止め


これまでのポイントを考慮すると:

  • 粒子のサイズは関係なく、酸化亜鉛が有効成分のもの
  • SPF値は最高でもSPF50まで(実際には野外で使用でもSPF30で十分)、
  • SPF値よりも塗り直しが大切

この3点が重要チェックポイントになります。
そしてこの2点だけをカバーする日焼け止めであれば割と多く存在するのですが更に「塗りやすさ」「白浮きしない」という日常使う上で大切なポイントが加わるとハードルがどんどん上がっていくのです(^^;

【酸化亜鉛】
レリッシュアオテアロアで扱っているのは、100%酸化亜鉛の日焼け止めのみです。シンプルなクリームベースなので、お子さんにもご使用いただけます。






【酸化チタン+酸化亜鉛】

「使いやすさ」をプライオリティにしたのがこのグループです。扱いやすくテクスチャも良い酸化チタンをメインに、サブで酸化亜鉛を使用することでブロードスペクトラム効果を出しています。海外/日本共に、現在市場に出ているナチュラル日焼け止めで最大派閥ではないでしょうか。

しかしながら、酸化チタンを使用している日焼け止めは同時に酸化アルミニウム(アルミナ、水溶化AI)やその他ポリマーやシリコン、マグネシウム、水酸化ジルコニウムなどで必ずコーティングされています。

ケミカルフリースキンケア道場5・日焼け止め PART 1「コーティング済酸化チタンの危険性」 

酸化アルミニウム以外の変質の有無やそれ以前にプール以外の水……海や川、湖、温泉、雨、更には汗などによる変質の可能性など、まだわかっていません。


ボトムライン


調べれば調べる程疑問が湧き出てきて結局どれがいいの?!とわからなくなる日焼け止めですが、基本中の基本は「酸化亜鉛が有効成分かどうかを確認すべし!」です。

酸化チタンがメイン有効成分だったら……私だったら避けて通ります(^^;
確かに2012年の酸化チタンと塩素についての発表は、たった一つの研究から出たものです。でもこれこそ「触らぬ神に祟りなし」。完全に安全とわかっている酸化亜鉛があるのに、危険かもしれない酸化チタンを選ぶ理由はないと思うのです。

日焼け止めを毎日使っていたのに、シミができてしまった……それどころか発がん性の危険もある(アメリカのがん協会が指定する更なるリサーチが必要な物質」リストにも酸化チタンは含まれています)

こんな成分を避けるためにも、実際に効果のある日焼け止めの選び方、そして使い方を覚えておきましょう。







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