肝臓デトックスは意味ある？西洋医学と代替治療の食い違い

美肌づくりやダイエットで一番大切で効果的なのは「知識」だと思っています。そのために信用できる本を見つけるのはとっても有効ですよ。

 肝臓デトックスダイエット……賛成派 vs 反対派

この本は私のダイエット／食育バイブルです。

栄養素の基礎知識やGoodies/Baddies（体にいいもの、悪いもの）、なにをどれくらい食べなくてはいけないか。

避けるべき食べ物はなにか、食品ラベルの読み方、食品添加物やオーガニックの定義などが分かりやすく解説されています。

チャプターのひとつとしてダイエットも取り上げられています。その中で有名ダイエット検証があるのですが、気になることが……

オーストラリアのナチュロパス、Drカボットが提唱するリバー・クレンジング・ダイエット（肝臓デトックスダイエット）です。

肝臓が毒素を貯める事なく正しく働けば、代謝も上がり脂肪も燃えやすくなる。それだけではなく肝臓疾患やひいては皮膚病なども治癒する

ということらしい。

しかしながら栄養学者や医師からは疑問の声が上がっているそう。中でもオーストラリア肝臓移植ユニットに属する栄養士のコメントは興味深いです。

『肝臓デトックス』なんてまったく不必要。何故なら肝臓は自分で自分をデトックスできる機能を持っているのだから。それに他の臓器と違い、肝臓は年を取って衰えることはありません

さらにもうひとつの肝臓デトックス（というか、自宅で胆石を排出する方法）、レバーフラッシュ（Liver Flush / Gall bladder Flush) についてはウソ八百、疑似科学以外の何ものでもないとしています。

健康なら、肝臓に毒素は溜まりません

基本的に肝臓デトックス奨励派はナチュロパシーなど代替医療系のプラクティショナー。反対派は西洋医学の医師や学者です。米ペンシルバニア、ドレクセル大学の栄養科学学科長はこう言い切っています。

私達の肝臓や腎臓は、健康体であれば毎日しっかりと「いい仕事」をしてくれます。果物や野菜、未精製の穀物、水の摂取量を増やす方が肝臓デトックス（クレンズ）をするよりも長い目でみると余程効果的です。

多くのデトックス商品が「肝臓に溜まった毒素を取り除く」と喧伝していますが健康な人の場合、肝臓は毒素を溜めておく箇所ではありません。肝臓は有害かもしれない毒素を水溶性の物質に変質させ汗や排泄物として体外に出す働きを持ちます。

ただ、A、B、C型肝炎やアルコールによる肝臓疾患の場合肝臓が「不健康」になり、毒素を変質させることができず体内に蓄積してしまうことがあります。ビタミンAや鉄、銅などは肝臓やその他の臓器に多量に蓄積されると疾患の原因となります。

でもこれらの毒素が肝臓ダイエット食や「クレンズ」サプリでキレイに流されたり、疾患が治ったりしたエビデンスはありません。

Stella L. Volpe
Professor and chair of the department of nutrition sciences,
Drexel University in Philadelphia
Detox Diets & Cleansing: Facts & Fallacies

肝臓デトックス、ダイエット効果もありません

ダイエット効果に関してはこんな身もフタもない記事を発見。

肝臓デトックスをする目的が減量だとしたら、数キロは落とせるでしょう。でも確実に元に戻ります。何にもしてないのと同じですし、健康的なアプローチとは言えないのですから。体全体のデトックスが目的なら、時間もお金もドブに捨てるようなものです。

何を食べていようと、あなたの体は毒素を排出することに関してプロであり特定の疾患がなければ、しっかりとその役目を果たしてくれています。

毒素は肝臓、腎臓、また他の器官や臓器に蓄積することはありません。
デトックスダイエットで有効なのは加工食品、高脂肪／高糖分食品を避けて果物や野菜の摂取を増やすこと。このダイエット法こそが一番確実なダイエット法と言えます。

Dr Michael Smith
The Truth About Detox Diets

痩せるの当たり前……肝臓デトックスダイエットの方法とは

ちなみに肝臓デトックスダイエットの基本的なやり方は：

　水をガンガン（1日8～12杯）飲む
　野菜や果物をたくさん摂取する
　糖分、飽和脂肪酸（肉類やバターなど）を極力避ける

……これは別に肝臓がデトックスされて痩せる訳ではないのでは。

そりゃあこんな食生活になったら痩せるのは当たり前だって😅そして確実に肌の調子もよくなるハズ。

結局ダイエット成功のカギは「食生活の改善」。この一言につきるようです。