洗えば洗うほど乾いていく、W洗顔の呪縛
クレンジングクリームやクレンジングミルク、オイルについてのご質問の中で一番多いのは「W洗顔は必要ですよね?」というものです。「メイクや汚れは泡でないと落とせない」という考えが、意識的にしろ無意識にしろ、どっしりと根付いているような気がします。
泡の出ないクレンジングは作り方によって2種類に分けられます:
・クレンジングクリーム=Water in Oil
(オイルの中に水=オイルの比重が多い=リッチ)
・クレンジングミルク=Oil in Water
(水分の中にオイル=水分の比重が多い=軽い)
(オイルの中に水=オイルの比重が多い=リッチ)
・クレンジングミルク=Oil in Water
(水分の中にオイル=水分の比重が多い=軽い)
例えばオイリー肌であれば、毛穴を塞ぐ可能性の高いオイル高配合率のクリームタイプよりも、軽めのミルクの方が適している。でもミルクで洗顔したあと、石けんでW洗顔してください、と。実はこのスキンケア法が乾燥や敏感肌、インナードライ、オイリーなどトラブル肌への序章になる場合も多々あるのです。
W洗顔による洗い過ぎでトラブル肌に
クレンジングが完璧でなく、肌に残るとトラブルの原因になりますが、反対に洗い過ぎもトラブルの原因になってしまいます。この洗顔による皮脂の落としすぎの方が危険度は高いのです。肌は例えるならブロック塀のようなもの。ブロック(肌細胞)同士をくっつける「セメント」がしっかりしていれば強いブロック塀になります。反対にセメントを取りすぎたり、少なかったりすると弱いブロック塀になるわけです。
洗顔のし過ぎはこの大切な「セメント」を削りとってしまいます。そして弱いブロック塀は気温や湿度、メイクやスキンケアアイテムなど外的要因の影響を大きく受けてしまう肌になってしまいます。ちなみにこの大切な「セメント」を作るのがオメガ3や6などの、EFA(不飽和脂肪酸)です。
ニキビ肌にしても乾燥肌にしても「洗い過ぎほど肌に悪いことはない」というのが私の考え。どうしてもW洗顔には納得いきません。