大成功、ノンシリコンシャンプーの悪口作戦

「怖がらせ商法」の被害者、シリコン



数年前からノンシリコンシャンプーが注目を集めはじめ「シリコン=悪説」が巷にあふれてしまいました。


花王や資生堂など、シャンプーにシリコンを配合している大手メーカーは「シリコンは悪くないんですよ!」と火消しに必死になっています。でも消費者(特にナチュラル派^^;)は大手の言う事を素直に信用はしませんから、まだまだ「シリコン=悪説」は根強く残っています。

結論から言えば、 シリコンは高い安全性を持つ優れた原料であり、避けなくてはいけない理由はひとつもありません。

昨今のシリコン=悪説は、完全なる怖がらせ商法と言えます。



シリコンって何だろう?


まず、一般的に「シリコン」と呼ばれていますが化学的にはシリコン(silicon)とは元素の一種、ケイ素(Si) のこと。シャンプーやコスメなど一般的に使われているものは正しくは「シリコーン(siliconE)」、有機基の結合したシリコンが酸素と連なってできている高分子化合物です。原料は天然物だけれども、加工の仕方は100%化学的ということができます。

シリコンは(紛らわしいので今回は「シリコン」で統一しますね)化学的に非常に安定性の高い物質で、200℃の高温でもその結合が壊れることがなく、耐熱性、耐候性に優れています。

それ故に利用価値はとても高く、カテーテルなどの医療分野、化粧品、コンタクトレンズなどの人体に触れるものから(月経カップも!)、カーワックスやシーリング剤など、工業用途など、広く使用されています。

化粧品やヘアケアアイテムに使用されたシリコンの刺激性が報告された例はこれまでにひとつもありません。



ヘアケアアイテムにおけるシリコンの役割


シャンプーやリンス、コンディショナー、ムース、スプレー、ジェル……様々なヘアケアアイテムにシリコンが配合されています。その目的は、髪の表面に防水性のコーティング皮膜を張るため。そしてこのコーティングには幾つのかの役目があります:

  • 髪の表面に膜を張ることで、水分の吸収を防ぐ
  • 髪内部の水分蒸発を防ぐ
  • 髪の表面を滑らかにする

シリコンを配合することによって、髪の手触りや櫛通りを良くし、摩擦を防ぐことができるのです。



シリコンの種類


ヘアケアアイテムに使用されている主なシリコンは以下の4種類です。


シクロメチコン(Cyclomethicone)

ヘアケアアイテムに最も広く使われているシリコン。シクロメチコンは「揮発性」なので、髪に蓄積(ビルドアップ)されることはありません。このシリコンを使うとシルクのような、スムースな手触りになります。

洗い流さないタイプ、洗い流すタイプの商品に使用されています



ジメチコンコポルオール(Dimethicone Copolyol)

水溶性の軽いシリコン。ほんの少しだけ髪に蓄積されますが、水溶性なので通常のシャンプーで簡単に洗い流すことができます。

コンディショニングシャンプーに配合されていることが多いです。



アモジメチコン(もしくは「アモ」「アミネ」「アミノ」を含む名称)

上記二つとは違う種類で、髪への付着力を強く化学的に改良したもの。コンディショニング効果は高いのですが、同時に蓄積しやすく、落としにくいシリコンと言えます。

洗い流さないタイプのコンディショナーに使用。



ジメチコン

「シリコンオイル」と呼ばれることもあるジメチコン。髪をガッチリとコートし、ツヤ、コンディショニング効果を与えます。しかし非水溶性のため、とても落としにくいのがこのジメチコンです。また強いコーティング力は汚れやホコリなどが付着しやすく、髪がベッタリと重くなってしまいます。

ヘアセラムや洗い流さないタイプの商品に使用されています。



シリコンが毛穴をふさぐ?典型的な怖がらせ商法


結論から言いますと、ウソ八百です。
シリコン分子は人間の毛穴よりも大きいので、毛穴に詰まることはありません。またシリコンのコーティング皮膜はガーゼのような網状なので通気性があります。シリコンは低アレルギー性の、極めて安全性の高い原料と言えるのです。

2011年頃から台頭してきた「ノンシリコンシャンプー」、これは「怖がらせ商法」の典型的な例と言えるでしょう。

小さなメーカーが大手に対抗するために「大手メーカーのシャンプーに入っているシリコンは危険なんですよ!だからノンシリコンのウチのシャンプーを使いましょう!」と宣伝する……怖がらせ商法の典型的な手口です。

インターネットで「シリコン シャンプー」と検索すると

「毛穴をふさぐ」
「頭皮につくと皮膚呼吸できなくなり、薄毛の原因となる」
「パーマがかかりにくくなる」
「髪が染まりにくくなる」

などなど、いろいろな悪い点が上がってきますがすべて「街のウワサ」の領域を出ず、どれひとつとして学術的、化学的なエビデンスはありません。シリコンは工業用のシール剤や、プラスチックとしても使われていますので「薄く皮膚に張りつく」というイメージを与え易かったのでしょう。そこを見事についた(笑)怖がらせ商法と言えます。


シリコンを避ける必要はありません!


シリコン避けなくてもよし!です。
毛穴に詰まるとか頭皮をふさぐということはないので、気になるのは毛髪に蓄積されるビルドアップだけ。

でもこのビルドアップも基本的には通常のシャンプーで落とす事ができますし気になるのであればシクロメチコンやジメチコンコポルオールなど軽い水溶性のシリコン配合のアイテムを使えばいいのです。

シリコン論争、日本だけではなく世界中で起こっていて大手のシャンプーメーカー、TRESemme(トレスメ)などもノンシリコンシャンプーを発売しています。この10年程の間に「シリコン=悪」「ノンシリコン=善」という誤った図式が成り立ってしまい、大手メーカーも無視できなくなってきたのでしょうね(^^;

シャンプーを選ぶとき、一番気にするべき成分は


シャンプーの選び方として一番大切なのはシリコンの有無ではなく洗浄成分だと私は思います。石油系界面活性剤(SLSなど)が洗浄成分のものは、洗浄力が強く、必要以上に皮脂を落とし過ぎてしまいます。

それに体のてっぺんである頭に使うものですから洗い流すときに顔や体にも泡は流れていき、その際に体全体の皮脂をも落としていってしまうのです。

アミノ酸系シャンプーは石油系界面活性剤と比べて洗浄力も穏やかで、石けんシャンプーよりもキシむこともないので一番使いやすいかな……というのが実感です。



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