やさしそうに見えるけど実は……な自然派シャンプーの話

石油系界面活性剤不使用。
髪と地肌にやさしい、植物由来のシャンプーです。 


こんな売り文句をみかけたことはありませんか?自然派シャンプーやボディウォッシュなどの界面活性剤としてよく使用されているココアルキル酸ナトリウム。


ナチュラルコスメ派な割には疑い深い私、Drタトレーに質問してみたところ……大してやさしくありませんでした😓


典型的なグリーンウォッシュ、ココアルキル酸ナトリウム

メーカーは「ココアルキル酸ナトリウムはココナツオイル原料。

ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)やラウレス硫酸ナトリウム(SLES)よりもからだにやさしいチョイスです」……というでしょうね。 

残念ながら真実は違います。 

ココアルキル酸はSLSと基本的には同じものといえるのです。ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)はまずココナツやヤシ、石油などから分離された脂肪酸である、ラウリン酸から始まります。 

そしてラウリン酸は硫酸やその他の化学物質と化学反応をおこすのです。そしてココアルキル酸ナトリウムもラウリル硫酸ナトリウム(SLS)とまったく同じ化学プロセスを辿るのです。

ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)とココアルキル酸の違いは脂肪酸のブレンドにあります。ココアルキル酸を構成している脂肪酸は:

  • ラウリル硫酸ナトリウム
  • カプリリック硫酸ナトリウム
  • カプリック硫酸ナトリウム
  • オレイン硫酸ナトリウム
  • ステアリル硫酸ナトリウム
  • 少量の硫酸ベースの化学物質

これら数種類の脂肪酸が含まれているにもかかわらず、商品には「ココアルキル酸ナトリウム(ココナツ由来)」と表示できて、実際にブレンドされているすべての脂肪酸は公表しなくてもいいのです。 

これこそがグリーンウォッシュの典型と言えます。

メーカーはココアルキル酸ナトリウムを使用することで、商品を「よりナチュラル、よりグリーン」と偽装させることができるわけ……

残念ながらココアルキル酸ナトリウムもラウリル硫酸ナトリウム(SLS)と同じ、内分泌撹乱物質である1,4-ジオキサンを含んでいます。これはきっと、多くの人がラウリル硫酸ナトリウム(SLS)を避ける理由そのものの成分ではないかと思います。

また肌荒れや目のかゆみ、髪の自然なオイルをはぎ取ってしまうことや(泡を流す際に、体や顔の皮脂も落としてしまいます)ニトロサミンを合成するのもSLSと同じです。  

本当にSLS不配合なのかどうか……よく調べないとわからない

「グリーンウォッシュ」は残念ながら、日常的に行われている方法なのです。多くの「オーガニックコスメ」「自然派化粧品」メーカーがグリーンウォッシュゲームに参加しています。

「SLS不配合」「硫酸塩不配合」と謳っていても、原料リストをよくみると何らかの形態のSLSを使用していることが多々あるのです。そうそう、ラウリル硫酸ナトリウムとドデシル硫酸ナトリウムは同じものですよ!化学名が違うだけで、同じ構造を持つ物質です。

「硫酸(sulphate)」と名のつくすべての化学物質は「エトキシ(ethoxylation)」というプロセスを経なければならないのですが、これはオーガニック認定機関が認めていない化学的プロセス。エトキシ化とは硫酸を使って刺激を少なくすると同時に泡立ちをよくするプロセスです。しかしながらこの方法はまったく自然ではなく、更に毒性物質、発がん性物質や刺激物質が混入することがよくあります。

原料名に
「sulphate(硫酸)」
「laureth(ラウレス)」
「eth(エス)」
「Lauryl(ラウリル)」とあるものは避けた方が無難でしょう。


どこまで信用できる?自然派化粧品業界


私がこのココアルキル酸ナトリウムについて不信感を抱いたのは100%ナチュラル!という謳い文句のシャンプーバーを試したとき。使用2日目生え際がカサカサになって、おぉ?!と。そしてメーカーさんに問い合わせてみるとDrタトレーがいった通りのセリフ、


ココアルキル酸ナトリウムはココナツオイル原料。ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)やラウレス硫酸ナトリウム(SLES)よりもからだに、肌にやさしいチョイスよ


これがそのまま返ってきたのでした。


更に手持ちのアイテムを調べてみると、現在使用している発泡アイテム、NZを代表する自然派メーカー、 エコストア(ecostore)のシャンプーも、息子が使っている アースワイズ(Earth Wise)のベビー用シャンプーもココアルキル酸ナトリウムでした。


ココアルキル酸ナトリウム、そしてSLSもですが使用して反応の出ない人の方が大半でしょう。SLSと同じなの?!ココアルキル酸ナトリウムも使っちゃダメじゃん!……というのは過剰反応かな、とは思うのです。


ただ成分としていい・悪い の前にメーカーの不誠実さ、そしてもしも「知らなかった」と言い張るのであれば勉強不足さに腹が立つ。


最近考えるのですが、こういう面では通常のケミカルコスメメーカーの方が、公表する分だけ正直なのかもしれません。


もう調べるのが面倒くさくなった私がたどり着いたのは、泡の立たないシャンプーでした。



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